失う必要のない“いのち”の駆け込み寺です

常設 048-866-5040
平日 午前10時から午後5時まで


生存権はすべての人に保障されています

憲法25条では「すべての国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と定めています。誰でも生きる権利を持っています。

生活保護は誰でも申請することができます

生活保護制度は要件さえみたせば、誰でも受けることができます。生活に行き詰まりどうにもならなければ、誰でも生活保護を申請する権利を持っています。

生活保護の申請で、疑問・問題を感じたら

生活保護の申請には、福祉事務所で困っている事情を話す「相談」が必要です。残念ながら、一部の福祉事務所では「相談」の段階でさまざま理由をつけて、生活保護の申請をさせない運用が取られています。

法律の専門家が生活保護申請をお手伝いします

私たちは法律の専門家の立場から、生活に困った人の「生活保護の申請」という当たり前の権利を守るためのお手伝いをしています。

 

生活保護制度について

生活保護とは?

 憲法25条で定められている生存権を保障するものとして国が定めた制度です。生活に困った国民は、誰でも生活保護を利用することができます。

どんな場合に受けられるの?

国で定める最低生活費に満たない収入しかない場合に、その足りない部分が保護費として支給されます。

申請は個人でするの?

生活保護は原則として世帯単位で適用されます。一緒に住んでいるご家族全員で、生活保護が必要かどうかが判断されるのが通常です。

要件はあるの?

自分でできる努力はする必要があります。ただし、急迫状態であれば、要件を満たしていなくても保護を受けられる場合があります。

(1)働く能力を活用する
「まだ若いから保護が受けられません」と言われることがあるかもしれませんが、働く能力は、年齢だけで決まるものではありません。 また、仕事をしたくて求職活動しても仕事が見つけられなかったり、努力しても給料の多い仕事が得られない場合もあります。 このような場合は、相談してください。

(2)資産を活用する
処分しなければならない資産もありますが、保有が認められる資産もあります。

(3)年金や失業保険など利用できる制度は使う
こういった制度を利用して、生活保護基準以下の生活しかできないときは、原則として保護を利用することができます。

利用のしかた

福祉事務所に相談する

生活保護の相談は福祉事務所で受けつけています。福祉事務所は市役所や区役所の中にあります(町村の場合は、別の施設になります)。お住まいの市町村役場に聞けば、どこにあるのかを教えてくれます。

生活保護の申請が認められないときは、その理由をメモする

福祉事務所の担当者との面談で、生活保護を利用できるかどうかを確認します。申請をするように助言されたときは、その助言に基づき手続を進めてください。「あなたは利用できない」といわれた時は、その理由をメモしてください。

理由に納得がいかないときはご相談を

福祉事務所の担当者からの説明に納得がいかず、これからの生活の見通しがたたない時は相談受付電話(048-866-5040)にご連絡ください。法律家を紹介します。

支援にあたる法律家を紹介します

あなたの住んでいる都道府県の地域に登録している法律家がいれば,その地域の法律家を紹介します。地域の法律家を紹介できない場合には,電話での助言を前提に法律家を紹介します。

法律家と一緒に今後の生活を考えます

法律家への相談を通して、福祉事務所の担当者の説明に違法性がみられるかどうかを検討します。

必要に応じて窓口への同行などを行います

相談を通じて、生活保護利用の要件を満たしていると判断できるときは、法律家が生活保護申請の支援を行います。福祉事務所に電話連絡をしたり、書類作成の援助をしたり、申請窓口への同行などを行います。

多重債務や離婚などの問題があればあわせて支援を行います

今後の生活の建て直しにあたり障害になる問題(多重債務や離婚など)があれば、法律家として支援を行います。また、法律では解決が難しい問題については、力になってくれる支援機関を紹介します。

不服申立や訴訟の支援も行います

生活保護の申請が認められず却下されたときは、必要に応じて不服申立や訴訟の支援を行います。

よくあるご質問

どのような支援をしてくれるのですか?

生活保護に関しては大きく次の三点の支援を行っています。
(1)生活保護申請の手続きの代理、窓口への同行
(2)生活保護が却下された時の不服申立の支援
(3)不服申立が認められなかった時の訴訟の支援
他に、多重債務の整理(自己破産の申立て等)、離婚に伴う養育費の請求、成年後見人の選任など、法律家の専門性を生かした支援を行っています。

費用はかかるのですか?

費用はかかりますが,当面の生活費もない状況での相談であることから,保護を利用してからの分割払いに応じています。分割払いは,生活に支障がないように,おおむね月5000円程度と考えています。
なお、法テラスの法律相談援助の利用できるケースでは相談料はかかりません。また、各弁護士会の法律援助事業が利用できるケース(高齢者、母子家庭、ホームレスなど)では、利用者への金銭的負担はありません。
各制度が利用できるか否かは,紹介した法律家にご確認ください。また、詳しくは報酬基準をご確認ください。

相談する法律家を選ぶことはできますか?

法律家は登録された名簿から順番に紹介されるシステムをとっております。DV(配偶者間暴力)などが原因で男性への恐怖心があるなど、個別の事情がある場合にはご相談ください。

連絡を入れてから法律家が紹介されるまでどのくらいかかりますか?

地域により登録している法律家の人数にばらつきがあるため、一概には言えません。ただし、「今、困っている方」を対象にしたネットワークですから、速やかにご紹介できるよう努力していきます。

組織概要

創立の趣旨

2006年10月6日、第49回日弁連人権擁護大会におけるシンポジウムにおいて、「当連合会は、生活保護の申請、ホームレス問題等の生活困窮者支援の分野における従前の取り組みが不十分であったとの反省に立ち、今後、研究・提言・相談支援活動を行い、より多くの弁護士がこの問題に携わることになるよう実践を積み重ね、生活困窮者支援に向けて全力を尽くす決意である」との決議がなされました。

そして、2006年6、7月にかけて行われた全国一斉生活保護110番において、634件の相談が寄せられ、過去に福祉事務所に行ったことのある180件のうち、少なくとも118件(約65.6%)のケースにおいて、違法性の高い対応が認められました。

また、全国青年司法書士協議会では、2004年から生活保護110番を実施し、3年目の2006年7月29日の全国一斉生活保護110番においては、680件の相談が寄せられました。その中でも、122件が生活保護申請をさせてもらえないという内容でした。

そして、日弁連において、2007年4月から法律援助事業として高齢者・障害者・ホームレスの方々に対する生活保護申請等の弁護士費用の援助制度が始まりました。

ただ、現実にこのように多くの相談が寄せられても、そして、弁護士費用等の援助の制度ができても、実際に生活保護申請代理・申請同行を行う法律家がいなくては、どうにもなりません。

これまで個別に申請や審査請求などの救済活動を行ってきた法律家はいますが、それではようやくたどり着いた相談への対応に終始するのが限界です。多くの相談を吸収し、生存権を違法に侵害されている生活困窮者を支援するためには、広く法律家を集めて、広報をして、多くの相談を寄せられるようにしていく仕組みが必要です。

私たちは、そのような仕組みを作るために、本ネットワークを創立しました。

全ての福祉事務所において、生活保護の利用の要件を満たしている人に対して福祉事務所が生活保護の申請を助言する義務があることが当たり前のことと認識されるまで、私たちは本ネットワークとしての活動を続けていきます。